「九十九一希」という物語を垣間見た

タイトルが本題であり結論です。


こうやってブログを立ち上げて、アイドルについて書くのは一生縁がない予定だったのですが、彼の言葉を借りるなら、自分の言葉で伝えてみたかったので、どうせならTwitterで書き散らして終わるのではなく文章に起こしておこうと筆をとりました。九十九Pとして。

 

まずは、仙台公演お疲れ様でした。両日LVで参加しました。

 

さて、私はタイトルからすでにお察しできるかと思いますが、九十九担当F-LAGS Pです。それと同時に、961時代からぼんやりとJupiter推しであり、もともとは夏来Pだった夏来推しです。

そんな私の、二日目よりも前の話からしたいと思います。

今回の3rdライブツアー、特に仙台公演、推しに対する感想を簡単に述べるなら、私の中の様々なものが浄化されるばかりの、とにかく恐ろしい公演でした。

JupiterのAlice or Guiltyからの、BRAND NEW FIELD。夏来がナツゾラRecordsを歌い、夏来が奪ったと語ったピアノで、旬がGenuine feelingsを弾き語る。

Jupiterのことを知り、この人たちが好きかもしれないと思った昔の自分が、夏来を知ったときの自分の心残りが、少しずつ溶けていくようでした。

だからこそ余計に、仙台1日目が終わってから、不安が脳裏から消えませんでした。「九十九先生が一区切りついてしまったらどうしよう」と。

一区切りつく、というのは決して悪いことではないです。アイドルにとっては通過点の一つでもあるし、何より、九十九先生はゲーム内イベントの「傍白のFamile」で一区切りついているアイドルなので、今さらライブの方でも一区切り来ても受け入れられる下地はあるはずでした。あるはずだったのですけれど。

ライブで九十九一希を見たら、「一区切りついたし、それでもういいや、満足した」と思ってしまうのではないかと、不安になりまして。

あとはもう、何が来るのか不安で不安で仕方がなくて(朝起きてからは比較的マシだったのですが、しばらくしてから先生ソロを目の当たりにするかも…ってそれはそれで動揺していました)。

そんな状態で仙台二日目、そして、先生のソロ曲「…掲げよう、偽りなき自分を。」が披露される瞬間を迎えました。

 

演出が、すごい美しかった。

どこか静寂にも似た、言葉にならないざわめきが起きている会場の中、白い帽子を被ったシルエットが、場の空気を一気に攫っていく。机に向かうと、万年筆で文字を書き連ね。その筆を置いたと思うと、遠くの床に置いてあったマイクを拾い上げて、歌う。

万年筆を置いてマイクを拾う動作が、ゴーストが書くことをやめるのを、九十九一希がマイクを持つのを「選び取る」ように思えて、彼の選択を想いました。

そして、ステージ上で九十九先生が歌い始めると、スクリーンには、開かれたページに、縦書きで、歌詞が、いや、文章が。どこを見たらいいかわからなくて正直スクリーンはあまり見ていなかったのですが、発売当時の歌詞カードの衝撃を易々と超える演出に息を呑みました。静かで、でも何かを訴えるかのような様は、どこもかしこも、九十九先生の纏う雰囲気そのものでした。

そして、訪れる、二番サビでの歌詞ミス。

聴き慣れたPなので、真っ先にあれ? と思った直後、歌っている歌詞と、スクリーンの歌詞がどんどん食い違っていく……。明らかな事態に、少し冷めるような感覚と空気。あの数秒は、ひどく長く感じました。

直後、一番聴きたかったCメロで、階段を降りて目の前にやってきてくれた(もちろんLVなので概念ですが)のは、とても嬉しかった。「ここに立っている」のは、ステージの上であってほしかったので。

階段から降りた、あのステージの上で歌い終わり、本を閉じたその姿は、物語を紡ぎ終わったのか、もしくは語り終わったかのようでした。

 

ただ、歌詞ミスで少し我に帰ってしまったせいで、あんなに聴きたかったソロでも、落ち着かない気持ちが勝りました。担当のソロだからこそ、やはり、完璧に歌い切るのを聴きたかった。それがどうにも残念で、悔しくて。

 

そこからすぐに始まった涼ちんのソロの、羽ばたきのMy Soulも、実は、涼ちんが来た! というよりは、旗の流れが来てしまう! 気持ちの整理がつかないまま進んでしまう! と、置いてけぼりにされてしまった気持ちの方が強かったです。

ここで涼ちんがあまりにも真っ直ぐに歌い始めるのがとても嬉しくて、少し悔しかったんでしょうね。躓いても、ライブは止めることはできないし、どんなに悔しくても、もう一度だなんてあり得なければ次の場面もすぐに来てしまうから。


なので、正直、旗のときにパフォーマンスについて何を感じていたか、あまり覚えていないです。映像として、音声として覚えているのに。嬉しかったとか楽しかったという記憶はありますけれども、詳細はさっぱり。

そんな旗パートの中、心の片隅で、(自分のことのように悔しがっているけれど、九十九先生は、徳武くんは悔しかったのだろうか)と考えてました。

 

あの演出で、わかりやすくミスが露呈してしまったのは、表現者としてすごく悔しい。

そして、九十九先生は誰よりも言葉を大切にするし、歌詞はきっとすべて覚えている。それならなおさら、悔しいだろうと。九十九先生は、ああ見えて負けず嫌いだから。

それなら徳武くんは? 人柄からして悔しいと思うだろうし、一日目で、ボールが取れなくて悔しがっていたことに言及した、九十九先生のことをよく見てくれる人だから、悔しくないわけないだろうなと、そんなことを考えていました。


そして、With…STORYが始まった辺りから、完全に旗の流れだけど、なんだか思ったより旗が一区切りついたというか、終わるって気配ないな…ってぼんやりと考えるようになりました。それから少しして、あれ、これ、もしかして、一区切りつけるためのセットリストではない? って気づきました。

一日目の大吾くんのソロ、HANAMARU LIFEから続いた流れは、「こうやって生きていたい僕たちは、今こうして一緒に歩いています!」という、始まりの意思表示だったのかもしれない。

そしたらなんだか、先ほどまでの悔しさも、前日に不安だった、一区切りへの心配も、あっという間に消えていきました。なんだ、これから旗は歩き始めるんだから、それならまた次の機会に掲げようを聴けるのを楽しみにしよう。諦めないで、という歌詞が印象的な曲の中、何かが腑に落ちたような気がしました。

 

そして、旗パートが終わってから、MCですごい悔しがり、泣いている徳武くん見て、やっぱり徳くんも悔しくないわけないよなと、私は先ほどぼんやりと考えていたことの答えを知ることになります。

 ああ、一番悔しいのは徳武くんであり、九十九先生なんだと。


そして、最後の挨拶、もう一度触れるのかな、と思ったら、やっぱり触れてきたのですけど。

「頑張る理由ができた」

Twitterで「次に掲げようソロを聴くまでは絶対にプロデューサーでいたい!」と宣言するつもりだったPは、先越されちゃったなあ! などと思ったりしました。同時に、とても嬉しかったです。

この発言で、私が不安に思っていた「満足したからもういいや」は未来になったから。次の物語の足がかりを作ってくれたから。何より、九十九先生も同じように、次こそは必ず成功させると言ってくれる人だから。

私の中では、ステージへの評価は決して手放しに良いとはいえなかったけれど、失敗から一つの物語を紡ぎ始めたのなら、九十九Pとしては、もはや言うことはないです。

 

 そして私は、ようやく思い至りました。私は、多分、九十九先生の生き様を見たくて、先生自身が紡ぐ物語が見たくて、担当になりました。

だからもしかしたら、完全に歌いきれて、雪辱を晴らせました、とも言われたら、今度こそここで一区切りついたと解釈して、担当をやめるかもしれないです。

でも、いいんです。今回、九十九一希としての物語が、ゲームとはまた違う、徳武くんの演じる九十九一希としての物語がまた一つ、新しく始まったのだから、その物語を終わらせてくれるなら、「その物語を見せてくれてありがとう」と、私は九十九先生の担当でよかったと、胸を張って言えます。もちろん、もっと見たくなれば担当続けるでしょうし。

多分、私にとっての「未来を君と見たい」って、こういうことなんだろうなと思います。

 

余談ではありますが、私、徳くんのことを九十九先生だと思ったことは実は一度もないんですけれど、全力で九十九先生を演じているとは、わかります。あり方が、九十九先生であるというか。

だから、この言葉で締めくくりたいです。


九十九先生と一緒に立ってくれてありがとうございます。これからもどうか、彼のことをよろしくお願いいたします。一緒に物語を、紡いでください。